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歯の土台の治療(支台築造/コア)

ファイバーコアとメタルコア

 大きな虫歯や歯の破折、再治療などにより、歯に十分な量の歯質が残っていない場合には、人工の土台(コア)で歯を補強する必要があります。

 歯質があまり残っていない歯に被せ物(差し歯)をつけても、すぐに取れたり、残っている歯が割れたりしてしまうからです。

 歯の土台(コア)には、ファイバーコア、レジンコア、ゴールドコア、メタルコアなどがあります。

大きな虫歯、歯の土台の治療後(ファイバーコア)、歯の被せ物の治療後(オールセラミッククラウン)

 歯の土台(コア)は目立たない部分ですが、とても重要な治療です。家に例えるならば、基礎や柱に当たる部分で、家は基礎や柱がしっかりしていなければどんなに見栄えのよい家でも長持ちしません。また万一の大地震にも耐えられてこそ、安心して住めるのではないでしょうか。これまでは、基礎や柱を硬く丈夫にすることで耐震性を高めてきましたが、最近ではこれに加えて、力を吸収する免震構造が開発され注目されています。

 これは歯の土台(コア)についても同じことがいえます。歯には、食事の時や歯ぎしり・食いしばりの時など毎日いろいろな方向から強い力がかかっています。一般的に使用されている金属の土台(メタルコア)は丈夫ですが硬すぎるため、十分な歯質が残っていない歯では、強い力がかかった時に歯が割れてしまうことがあります。このような場合、歯の保存が難しい割れ方(縦破折)をすることが多いため、抜歯になる可能性が高くなります。歯質の少ない歯には、硬さやしなり具合が歯と似ているファイバーコアを使用することで、このようなリスクを減らすことができます。

メタルコアによる歯根破折
歯の土台の治療後(ファイバーコア)と歯の被せ物の治療後(オールセラミッククラウン)

ファイバーコア(グラスファイバー+レジン)

 

グラスファイバーのピン(ポスト)で補強したプラスチック(レジン)の土台です。

ファイバーコアは、歯に似たしなやかさがあるため、根を壊しにくく、特に、歯質の大部分を失った歯に最適な土台(歯にやさしい土台)です。

ファイバーポストは、2003年に厚生労働省に認可された新素材です。

当歯科室では、GC ファイバーポスト、PENTRON ファイバーコアポストシステムを採用しています。

ファイバーコアの治療例へ
ファイバーコア
メリット
  • 硬さや弾性が歯とほぼ同じため、歯が割れる(歯根破折)のリスクが低い
  • 強度があり耐久性がある
  • 光の透過性があり歯に似た白さのため、自然で透明感のある美しい歯を再現できる(金属による暗い影がないため、オールセラミッククラウンに最適)
  • 金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配がない(メタルフリー)
  • 歯を削る量が少ない(口腔内で製作する直接法の場合)
  • 再治療が必要になった場合も除去が容易
デメリット
  • 保険が適用されないため、レジンコアやメタルコアより費用がかかる
  • 術者のテクニックや歯の環境によって予後が左右されやすい(口腔内で製作する直接法の場合)

レジンコア(金属ピン+レジン)

 

金属のピンで補強した保険適用のプラスチック(レジン)の土台です。

レジンコアは、メタルコアより強度はありませんが、歯を削る量が少なく、歯根破折の危険が少ないなどのメリットがあります。

直接口腔内で製作するレジンコアは、術者のテクニックや歯の環境によって予後が左右されやすいのが現状です。

レジンコア
メリット
  • 保険が適用されるため費用が安い
  • 歯を削る量が少ない
  • メタルコアより歯根が破折する危険が少ない
  • 金属による暗い影が少ないため、メタルコアより審美性に優れる
  • 金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配が少ない
デメリット
  • ファイバーコアより弾性や強度、耐久性が低い
  • 再治療が必要になった際、金属ピンの除去が困難である
  • 直接口腔内で製作するため、術者のテクニックや歯の環境によって予後が左右されやすい
  • 金属による暗い影があるため、ファイバーコアより審美性に劣る

ゴールドコア、PGAコア

 

ゴールドコアは、金合金(20K)や白金加金(PGA/プラチナ加金)などの貴金属を使用した保険適用外の土台(コア)です。

金合金(20K)や白金加金(PGA)は、耐久性が高く腐食や変色が起こりにくい金属です。金属アレルギーを起こしにくいため安心して使用することができます。

またゴールドコアは、保険適用のメタルコア(銀合金など)よりも精密に製作することができるため、二次虫歯やコアの脱落などのトラブルを起こしにくくなります。

ゴールドコア
メリット
  • コアの強度が高く耐久性がある
  • 金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配が少ない
  • 精密に製作することができるため、コアの脱落などのトラブルが起こりにくい
デメリット
  • 硬く弾性がないため、歯根が破折する危険がある(金属のくさび効果)
  • 保険が適用されないため、レジンコアやメタルコアより費用がかかる
  • ファイバーコアやレジンコア(口腔内で製作する直接法の場合)より歯を削る量が多い
  • 光が透過しないため、歯の自然な透明感を再現しにくい
  • 再治療が必要になった際、硬い金属のため除去が困難である

メタルコア

 

保険治療で最も一般的に使用されている金属の土台(コア)です。

メタルコアは、コア自体に大変強度があること、保険適用のため安価なことなどの理由で多く使用されていますが、「歯根破折の危険が高い」「歯を削る量が多い」「歯や歯ぐきが黒く変色しやすい」などのデメリットもあります。

通常、保険適用のメタルコアでは、銀合金(銀:約70%)や金銀パラジウム合金(銀:約50%、金:12%)等の銀を主成分とする卑金属を使用しているため、金属の腐食による変色や金属アレルギーのリスクがあります。

メタルコア
メリット
  • 保険が適用されるため費用が安い
  • コアの強度が高い
  • 製作手順がシンプルなため歯の状態や術者の技術に影響されにくい
デメリット
  • 金属は歯より非常に硬く弾性がないため、歯根が破折する危険がある(金属のくさび効果)
  • ファイバーコアやレジンコア(口腔内で製作する直接法の場合)より歯を削る量が多い
  • 金属の溶け出し(腐食)により歯や歯ぐきが黒くなる可能性がある
  • 暗い金属色で光も透過しないため歯が暗くなりやすい
  • 再治療が必要になった際、硬い金属のため除去が困難である
  • 金属アレルギーの危険性がある
  • 精度が低いため、コアの脱落などのトラブルが起こりやすい
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